▲富士登山【富士登山の危険】

富士山へ気軽な感覚で登ろうとする人が後を立たず事故の原因になっているようだ。富士山は標高3000mを超える高山で、決してやさしい山ではない。空気が薄く気圧も低いので体に大きな負担がかかる。万全の装備を整え、体調の悪い時には山を下りる勇気が必要だ。気象情報の把握など安全登山の基本を守り、事故のない登山を楽しもう。

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高山病

要注意な人
・高血圧・心疾患の持病のある人
・睡眠不足や体調不良の人
・中高年の人
標高が高く気圧の低い富士山では、体内の酸素量が少なくなってしまうため、脱力感や疲労感、頭痛、食欲不振などの症状が現れる。さらに重症になると吐き気や嘔吐することも。何度も山頂に到着した瞬間、嘔吐している人を見かけた。誰にでも起こりうるので要注意だ。
予防&対処
・高度を下げることが最良の対応策。
・十分な睡眠をとり体調管理をしっかりしておく。睡眠不足や深酒は厳禁。
・急激な標高の変化に体を慣らすため、五合目で1〜2時間かけ、体を高所順応させる。
・体温が下がると体力を奪われるため、体を冷やさないこと。
・余裕を持った日程で、体力に見合った無理のない計画を立てること。

道迷い

要注意な人
・地図を見ない人、地図を持たない人
・初めての登山者
・単独登山者
 夏の富士山では、登山道から外れるようなことがない限り、遭難にまで至るケースは少ないが、仲間とはぐれてしまったり、分岐で間違えて違うルートを進んでしまうことがある。1人にならないよう仲間と一緒に行動し、地図による現在地の把握を欠かさないようにする。視界の悪いときは要注意。
予防と対処
・登山道から外れない。分岐では地図を確認する。
・1人にならないよう、グループで声を掛け合う。
・気象状況を把握し備えておく。
・仲間とはぐれた場合の緊急連絡手段を相談しておく。

低体温症と熱中症

要注意な人
・体力を過信している人
・知識・経験不足の人
・初めての登山者

下界は真夏でも富士山頂では真冬並みの厳しい気象状況。雨や風で体感温度が下がり、低体温症を引き起こすことも。また好天時は直射日光にさらされるので熱中症に注意が必要。

予防と対処
・入山前に気象情報を確認し、装備を整えておく。
・体温低下を防ぐため、雨や汗で濡れたらすぐに着替える。
・水分や塩分をこまめに取り熱中症を防ぐ。帽子をかぶる。
・体に異常を感じたら、救護所や山小屋で手当てを受ける。

捻挫や骨折

要注意な人
・体力不足の人
・体力・技術を過信している人
 不安定な浮石に足を置いてしまい、バランスを崩して転倒してしまう。体力不足で足腰の踏ん張りがきかずに転倒するなど、転倒してしまい捻挫や骨折に至るケースが多い。特に下山時に注意する。
予防と対処
・不安定な浮石を踏まないように注意。
・下山時はゆっくりと慎重に下り、最後まで気を緩めない。
・足首まで固定される登山靴を履く。
・危険箇所を調べておく。

落石事故

要注意な人
・登山経験の少ない人
夏は登山者の増加によって落石が起こりやすくなる。落石を起こして他の登山者が被害に遭わないよう注意する。もちろん自身も落石に当たらないよう注意する。
予防と対処
・地盤がもろく崩れやすい場所もあるため、整備された登山道を歩く。
・周囲の音に注意する。
・落石を起こしたり、発見した場合は大声で「落石!」と周囲に知らせる。
・落石に気づいたら、岩陰やくぼみに身をかがめ、落石コースから避難する。

 滑落事故

要注意な人
・単独の登山者
・技術・知識を過信している人
突風でバランスを崩したり、岩や雪の上で足を滑らせてしまい、斜面を滑り落ちてしまう事故。最悪の場合、命を落としてしまうこともあるので、残雪のある初夏や、凍結の始まる秋口には特に注意する。
予防と対処
・危険箇所や崩落箇所がないかルート状況を確認しておく。
・下山時や疲れた時に起こりやすいので、自分の体力や技術に合わせた計画を立てる。
・降雪や凍結、突風になりそうな天候の変化がないか、気象状況を把握しておく。
・山頂付近に雪がある場合は、冬山装備を携行する。

落雷事故

要注意な人
・天候情報の不足な人
・知識・経験不足な人
・無理な計画の人

夏山は午後に雷が発生することが多い。早立ち早着きを守り、朝は早く出発し、午後は早い時間に目的地に到着することが落雷事故の予防になる。

予防と対処
・雷は数日連続して発生しやすいので、登山前に気象情報を得る。地上と上空の温度差が大きいほど発生しやすい。
・早立ち早着きを守り、雷の発生しやすい時期は登山を避ける。
・雷に気づいたら、速やかに山小屋に避難する。
・万が一雷雲の中に入ってしまったら、金属類を遠ざけ身を低くして通過を待つ。
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